昨日の大地君の感想の続き。
著者は、高校の時、宇宙に関わる仕事に就きたいと思い立います。そのため、航空宇宙学科が存在していた大学を希望しますが落ちます。しかし、入学した東京工業大学が機械宇宙学科を新設しました。そのため宇宙に関係する研究に携わることができるようになります。その後、民間メーカーに就職しますが四月下旬には大学のポストが空き、戻ってこないかと勧められます。話し合いの末、会社を辞めて大学に戻り、研究を続行します。そして、JAXAには二回目の入社試験で合格して、遂に宇宙に関わる仕事に就きます。
著者は多くの挫折を味わったそうです。しかし、宇宙に関わる仕事に就くために努力を惜しみません。そして、自分の夢を実現します。
著者が自身の考えを綴っている第五章は印象的です。工学は「自然の法則」を基本とする夢に満ちた純粋な世界だと著者は語ろうとしているようです。工学の世界では失敗してもリカバリがきくのだから、高い目標に向けて挑戦することが大切だと奮起を促します。そして、地道に努力すれば、東日本大震災がもたらした日本の技術に対する不信は拭うことが可能だと力説します。震災後だからこそ、あえて希望を語ろうとしているのだと思います。
しかし、著者の論理には説得力がありません。(この項、続く)