小山響平君(20期生)から嬉しい便り。彼の在学する琉球大学の図書館主催の第4回「ビブリオ文学賞」で、彼の作品「爪探し」が「大賞」を受賞した。
大城貞俊・教育学部准教授の選評から:「爪探し」は欠点を探すのが困難なほど完成度の高い作品で、やはり一歩抜きんでていたように思う。作品は、ぼくと女友達ヒカルとの交流を描いたものだ。狭いぼくの部屋で数時間の出来事がディティールまで鮮やかに描写される。ドラマチックな出来事は何も起こらない。卵を焼いたり、ゴミ箱に捨てた三線の「爪」のことを気に掛けたりなどと、平凡な時間が過ぎていく。しかし、この時間には、たくさんの物語が凝縮されているようにも思われた。(~略~)この時間は大きな物語を失った若者たちの現実でもあり、何ものにも代え難い現実でもあるのだろう。文学が、視えない世界を描くとすれば、細部の表現の向こう側に隠れている闇や幸せまでをも、見事に浮かび上がらせた作品だと言っていい。
ちなみに、響平君は、理学部物質地球科学科の学生である。高校生の時は人力飛行機部の部長だった。
PR
COMMENT
こんどは大賞!