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トトロのトポス

自由の森学園図書館情報

   

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ONE PIECE 62 発行!!      (681)



ONE PIECE新刊~で思い出すのは、高校入学式の校長の話。(笑)内田 樹氏のONE PIECE 解釈を上手に引用しながらうまく自由の森の理念に繋げていたと、私は思う。VOICE 19にそのまま掲載されている。(以下、VOICE 19「高校入学式・新入生へ*5」鬼沢真之、より)

(~略)…物語を貫くテーマは「仲間」。この『ONE PIECE』の別冊「ストロングワーズ」に思想家の内田樹氏が解説の文章を書いています。主人公ルフィたちは、自分の利益や時には命よりも仲間との絆を優先します。内田樹さんは、これを現代社会を貫いている「グローバリズム」の流れに対する異議申し立てととらえています。

グローバリズムとは、一言で言ってしまえば、世界を単一の巨大な秩序のうちに整序し、地上の全ての人間を、その経済力によって(平たく言えば「年収いくらか」を基準に)数値的に格付けするシステムのことです。地上の全ての人間が単一の基準によって格付けされる。極端な言い方をすれば、年収によって、地球上の70億の人間が、一番から七十億番までずらりと一枚のリストの上に配列される。(~中略~)権力が欲しいなら、その世界ランキングにおいて、とりあえずは自分のすぐ上にいる人間を追い落として、一段ずつ這い上がるしかない。(~中略~)強いものは豊かな資源を享受し、思う存分自由にふるまい、弱い人間を奴隷のようにこき使うことができる。『ONE PIECE』はそういう世界の話しです。

私は、『ONE PIECE』が子どもだけではなく、むしろ大人たちにも読まれているのは、こういう「一つのモノサシ社会」に対する静かな反発があるからではないかと思うのです。そして、バラバラにされてしまった人と人との関係を改めて信頼と友情のきずなでつなぎ直したいと感じているのだと思います。

自由の森学園が、点数と競争原理によりかからない教育をめざしているのは、学ぶということが本来は人と人とを結びつけるものだと考えているからなのです。ともに学ぶ仲間とつながること、同時に、自分自身を発見し自分自身につながることを何より大切にしているのです。

自由の森の3年間の航海にはあらかじめ決められたコースがありません。目的地もそれぞれです。しかし、これから過ごす時間はみなさんにとって大切なものとなることと思います。学ぶことは仲間とつながること、学ぶことは社会に参加すること、学ぶことは自分自身を発見すること、これを胸に刻んで新しい学校生活を送って下さい。ぜひ、充実した冒険となることを期待しています。…

キミはどう思う?ちなみに、鬼沢氏が引用している「ストロングワーズ」は上巻、下巻も刊行され、同じく内田氏が解説を書いている。こちらも新たな視点や卓見が随所にあり、面白い。ご一読を。

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2011年度公開研究会 全体講演の講師決定!      (682)

公開研第1日目11/19(土)の全体講演の講演者が池田 香代子(いけだ かよこ)さんに決定した。

池田さんは、数年前にやはり自由の森で講演をして頂いた。講演後、図書館に『世界がもし100人の村だったら1~4』(マガジンハウス)『11の約束 えほん教育基本法』(ほるぷ出版)等を、サインをして寄贈して下さった。



池田さんは、ドイツ文学者・児童文学者・翻訳家・口承文学および都市伝説研究家・エッセイスト、平和運動家。グリム童話の翻訳をライフワークとしながら、トルコ人のドイツ語作家アキフ・ピリンチの『猫たちの森』の翻訳により第1回日独翻訳賞を受賞。1995年に、ヨースタイン・ゴルデル著『ソフィーの世界』ドイツ語版からの重訳をNHK出版より発表。「ベルリン・天使の詩」などの、ドイツ映画の字幕も担当した。

世界平和アピール七人委員会のひとりで社会運動家としても知られており、近年は有事法制制定や教育基本法改定、防衛庁の省への昇格、格差社会の到来を批判し、日本各地で講演を行なっている。ベストセラー『世界がもし100人の村だったら』の印税7000万円余をすべて、日本在留の難民を支援するための活動資金や、アフガニスタン難民キャンプに女子中学アル・イルム女学院を設立するための基金、それにパレスチナの水道タンクなど、平和的な活動や、NGO/NPOへの寄付に投じている。



ちなみに、池田さんの東京都立大学人文学部ドイツ文学科の時の先生は種村季弘である。全くの余談だが、私が種村氏を知ったのは高校時代で、マルキ・ド・サドの翻訳家=渋澤龍彦、ザッヘル・マゾッホの翻訳家=種村季弘というコンビでだった。後に種村氏の著作で『渋澤さん家で午後五時にお茶を』(学研M文庫)という本に出会った時は、やっぱりかなりワクワクした。(笑)

世界の映画作家たち        (683)

1月~3月にかけてNHKラジオで放送された?(残念ながら私は視聴していない)、佐藤忠男の『人間のこころを描いた 世界の映画作家たち』のテキストが手元にある。



「私は映画を見ることとは世界を知ることだと思っています。(~中略~)なぜ映画を見るのかと聞かれたら、(~中略~)世界を知り、世界についてのイメージを持つことができるからだ、といまでは答えることができます。」と。

番組で取り上げられた映画作家は、ジョン・フォード、アルフレッド・ヒッチコック、オーソン・ウェルズ等英米の作家から、フェデリコ・フェリーニ、イングマル・ベリマン等の南欧・北欧の作家、そして、サタジット・レイ、イム・グォンテク、ウスマン・センベーヌ等のインド・韓国・セネガル等のアジア・アフリカの作家たちに及ぶ。

個人的な関心としては、最後のウスマン・センベーヌ監督の章が一番興味深かった。センベーヌ監督の『エミタイ(雷神)』は第2次世界大戦中実際に起きた事件を扱っている。セネガルの雷神信仰の村へフランス軍が食料の米の徴収にやって来て、抵抗してそれを拒んだ男と女たちのそれぞれの群集を虐殺してしまう話である。虐殺の凄惨な場面は出さず、最後に一斉射撃の音だけが聞こえて映画はスーと終わってしまう。そこに、佐藤はこの映画の「美的節度」を認め、心うたれたと語る。



実は、私が何よりも心惹かれるのは、著者の佐藤忠男氏である。お懐かしい、お元気で、という思い。タイトルの「人間のこころを描いた~」という箇所は、「こころをよむNHKシリーズ」だから仕方がないが、まあ、私にはちょっと照れるものがある。しかし、佐藤忠男という人物が健在であることはとても大切なことだと思っている。



佐藤忠男は、1930年生まれ。国鉄職員・電電公社社員を経て、1955年より、「映画評論」「思想の科学」編集長を務める。1962年に映画評論家として独立。1973年より、夫人と共に個人雑誌「映画史研究」を刊行。1996年より日本映画学校校長、本年、同校を前身として開校された日本映画大学の学長に就任。主な著書として『増補版 日本映画史』(全4巻、岩波書店)、小津安二郎・溝口健二・黒澤 明をそれぞれ論じた文庫・新書等がある。

また、中・高校生向けには、岩波ジュニア新書から『大人になるということ』『いま学校が面白い』が刊行されている。

日本神話        (684)

2006年12月、安倍晋三政権は1947年から持続していた教育基本法を廃止して、06年新教育基本法を制定した。文科省は、この新教育基本法に基づいて08年3月に学習指導要領(指導要領)を改訂し、同時に、この指導要領に忠実な教科書作成のために検定制度を変えた。今年度から使用される小学校新教科書は、この新指導要領と新検定制度によってつくられた、はじめての教科書である。

06年教育基本法第2条の「教育の目標」、それを具体化した新指導要領と新検定制度が求めているために、小学校新教科書には、全教科の教科書に道徳・愛国心・公共の精神・伝統文化・奉仕の精神などが盛り込まれている。

一例を挙げる。国語科の教科書に、神話が登場する。新指導要領では、「伝統的な言語文化」を学ばせるとしているために、1・2年生用国語には、4社に「因幡の白ウサギ」が、2社に「ヤマタノオロチ」(天皇の神権を保証した三種の神器の一つ、草薙劒くさなぎのつるぎはヤマタノオロチの尾から出てくる)が登場する。両方を載せた教科書が1社ある。また、6年歴史教科書の神話の扱いでは、全社にヤマトタケルの神話が登場する。中には、神話であることを明記せず「神の子孫が天皇となって、国を統一していくという話があります。ヤマトタケルノミコトの話はその一部です。」と記述しているものまで、ある!

ここでもう一つの日本神話の本を紹介する。『ゆかいな神様シリーズ』全6巻、新日本出版社。この中に登場する神々は、もちろんと言うべきか当然というべきか、王権の正当化という意図で書かれたものではない。(笑)これは、ひとことで言えば、人々と共に笑い、泣き、喜び、力を合わせて生きる事に幸せを見つけていく神々(だから神々ではないかも知れない、笑)の話である。

各巻のタイトルを紹介しよう。「木をうえるスサノオ」「空とぶ太陽の神ヒルコ」「ふじづるのまもり水のタケル」「たたらをふむ女神カナヤゴ」「スクナビコのがまんくらべ」、そしてこれは傑作、「おどって!ウズメ」…


VOICE 19 全貌。及び増補訂正第二版予定。      (685)

昨日発行したヴォイス19号は今日一日で全てなくなった。深謝。19号に掲載された、全てのタイトルと執筆者を記す。全46p。以下、1~4が「特集・入学式」5~11が「特集・大震災★原発」である。

1.入学式:中学・新入生へ(1)八木もも(中3、実行委員長)新入生へ(2)糸井空有(中3)①「春」②「楽しいこと」中野 裕(中学校長)

2.入学式:高校・新入生へ(1)吉村碧海(高3、実行委員長)新入生へ(2)村越聖也(高2)新入生へ(3)溝江美佳(高3)新入生へ(4)村井あずさ(高3) 新入生へ(5)鬼沢真之(高校校長)

3.新入生から、白石鹿乃子(高1)津畑拓泉(高1)          

4.入学式:高校・司会をして、武者佳乃古リナ(高2)田口冬来(高2)

5.大震災★原発:扉、押立敏樹(高3)

6.震災(1):空へ歌う、瀬谷佑介(9期生)             

7.震災(2):ゲリラ的ボランティア、宮崎亜弓(保護者)

8.原発(1):知らないことをそのままにしないで、府川弓成(理科)

9.原発(2):「原発って何?」「これ以上原発を増やさないこと」中谷開(高2)

10.原発(3):夢と闘うこと、永山泰久(6期生、寮監)

11.原発(4):原発は不合理だから止めて、中島大地(24期生)
         
12.イラスト、杉本 廉(高3)         

13.「ベジー・マンデー」を知ってますか?、西田隆男(保健室)

14.ブックレビュー:「現代日本と沖縄」宮城 崇氏(数学)、フリーペーパーレビュー:「読書のいずみ」三島千香子(24期生保護者)

15.写真展のお知らせ、村越聖也(高2)

  

16.体育祭!!、養父大二朗(高3、実行委員長)       

17.中学・学校案内パンフレット:略して「学案」、白石鹿乃子(高1) 

18.「自己紹介と新入生へ。」、VOICE編集メンバー 全員        

19.どうして「ヴォイス」を創刊するのか

5/6の増刷の機会に、若干の誤植を訂正し、8p分、増ページする事になった。19号を読んで自分も投稿したいという希望が寄せられたからである。(例えば、「震災後、春休みに行った支援募金活動について」高3、「GWに行く被災地ボランティア報告」高2、高校選択講座「NPO」担当教員…等)

更に、ふくらみを持って、自由の森の活きたナマの声を響かせるヴォイス。刊行後も成長をし続けようとするヴォイス。私は、翌5/7(土)の今年度第1回授業参観・保護者会に来られる多くの方々に、54pのヴォイスを手に取って頂ける事を、執筆者、編集メンバーの生徒と共に切望する。

 (Photos by S.Murakoshi)

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