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カテゴリー「読書」の記事一覧

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5/3 憲法記念日      (680)

第20回憲法記念行事「いま9条の未来を語ろう~憲法がめざす平和な世界のつくりかた~」が5/14(土)に弁護士会館で開かれる。

「尖閣列島(釣魚台)問題や朝鮮半島での砲撃戦などが生じる中、昨年12月、新防衛計画の大綱が策定されました。また、3/11の東日本大震災では、自衛隊の活動が連日報道されています。このような時代状況をふまえ、自衛隊の現状とあり方を検証し、平和と憲法9条の未来を展望するシンポジウムです。」と主旨説明がある。

時代状況の触れかたがシンプルすぎて曖昧だなあ。字数制限もあるのだろうが、もしこの程度が仮にぎりぎりの表現になってしまうとすると、私は、そういう所に時代状況の深刻さの一端を見る。(あっ、誤解のないように付言しておけば、私は主催者・講演者等には敬意と賛意を抱いている。問題は時代の動きや風潮の方なのだ。)

第1部の講演「日本の平和主義のこれから」の講演者、及び第2部「パネルディスカッション 憲法9条の未来」のパネリストの一人として、小熊英二氏(社会学者、慶應義塾大学教授。主著『<民主>と<愛国>――戦後日本ナショナリズムと公共性』新曜社、他)が登場する。私は、今、この人が何を語るのかは大きな関心がある。



Ps.中・高校生で小熊氏の著作を手に取ってみようとする人は、『日本という国――よりみちパンセ』(理論社)からが良いと思う。
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世界の映画作家たち        (683)

1月~3月にかけてNHKラジオで放送された?(残念ながら私は視聴していない)、佐藤忠男の『人間のこころを描いた 世界の映画作家たち』のテキストが手元にある。



「私は映画を見ることとは世界を知ることだと思っています。(~中略~)なぜ映画を見るのかと聞かれたら、(~中略~)世界を知り、世界についてのイメージを持つことができるからだ、といまでは答えることができます。」と。

番組で取り上げられた映画作家は、ジョン・フォード、アルフレッド・ヒッチコック、オーソン・ウェルズ等英米の作家から、フェデリコ・フェリーニ、イングマル・ベリマン等の南欧・北欧の作家、そして、サタジット・レイ、イム・グォンテク、ウスマン・センベーヌ等のインド・韓国・セネガル等のアジア・アフリカの作家たちに及ぶ。

個人的な関心としては、最後のウスマン・センベーヌ監督の章が一番興味深かった。センベーヌ監督の『エミタイ(雷神)』は第2次世界大戦中実際に起きた事件を扱っている。セネガルの雷神信仰の村へフランス軍が食料の米の徴収にやって来て、抵抗してそれを拒んだ男と女たちのそれぞれの群集を虐殺してしまう話である。虐殺の凄惨な場面は出さず、最後に一斉射撃の音だけが聞こえて映画はスーと終わってしまう。そこに、佐藤はこの映画の「美的節度」を認め、心うたれたと語る。



実は、私が何よりも心惹かれるのは、著者の佐藤忠男氏である。お懐かしい、お元気で、という思い。タイトルの「人間のこころを描いた~」という箇所は、「こころをよむNHKシリーズ」だから仕方がないが、まあ、私にはちょっと照れるものがある。しかし、佐藤忠男という人物が健在であることはとても大切なことだと思っている。



佐藤忠男は、1930年生まれ。国鉄職員・電電公社社員を経て、1955年より、「映画評論」「思想の科学」編集長を務める。1962年に映画評論家として独立。1973年より、夫人と共に個人雑誌「映画史研究」を刊行。1996年より日本映画学校校長、本年、同校を前身として開校された日本映画大学の学長に就任。主な著書として『増補版 日本映画史』(全4巻、岩波書店)、小津安二郎・溝口健二・黒澤 明をそれぞれ論じた文庫・新書等がある。

また、中・高校生向けには、岩波ジュニア新書から『大人になるということ』『いま学校が面白い』が刊行されている。

日本神話        (684)

2006年12月、安倍晋三政権は1947年から持続していた教育基本法を廃止して、06年新教育基本法を制定した。文科省は、この新教育基本法に基づいて08年3月に学習指導要領(指導要領)を改訂し、同時に、この指導要領に忠実な教科書作成のために検定制度を変えた。今年度から使用される小学校新教科書は、この新指導要領と新検定制度によってつくられた、はじめての教科書である。

06年教育基本法第2条の「教育の目標」、それを具体化した新指導要領と新検定制度が求めているために、小学校新教科書には、全教科の教科書に道徳・愛国心・公共の精神・伝統文化・奉仕の精神などが盛り込まれている。

一例を挙げる。国語科の教科書に、神話が登場する。新指導要領では、「伝統的な言語文化」を学ばせるとしているために、1・2年生用国語には、4社に「因幡の白ウサギ」が、2社に「ヤマタノオロチ」(天皇の神権を保証した三種の神器の一つ、草薙劒くさなぎのつるぎはヤマタノオロチの尾から出てくる)が登場する。両方を載せた教科書が1社ある。また、6年歴史教科書の神話の扱いでは、全社にヤマトタケルの神話が登場する。中には、神話であることを明記せず「神の子孫が天皇となって、国を統一していくという話があります。ヤマトタケルノミコトの話はその一部です。」と記述しているものまで、ある!

ここでもう一つの日本神話の本を紹介する。『ゆかいな神様シリーズ』全6巻、新日本出版社。この中に登場する神々は、もちろんと言うべきか当然というべきか、王権の正当化という意図で書かれたものではない。(笑)これは、ひとことで言えば、人々と共に笑い、泣き、喜び、力を合わせて生きる事に幸せを見つけていく神々(だから神々ではないかも知れない、笑)の話である。

各巻のタイトルを紹介しよう。「木をうえるスサノオ」「空とぶ太陽の神ヒルコ」「ふじづるのまもり水のタケル」「たたらをふむ女神カナヤゴ」「スクナビコのがまんくらべ」、そしてこれは傑作、「おどって!ウズメ」…


語りつぐ 歌いつづける     (690)

5月28日(土)国立オリンピック記念青少年センター大ホールで『「子どもの本・九条の会」三周年の集い―語りつぐ 歌いつづける』がある。

2部構成で、
第1部は、児童文学作家の岩崎京子さんや宮川ひろさんの「語り」と、手作り絵本作家・観客参加型紙芝居作家のまついのりこさん(自由の森学園の設立メンバーの中心の一人であり、二代目学園長であった数学の松井幹夫さんのパートナーでもある)の「講演」。
『あの戦争の時 私は子どもだった』



第2部は、「歌と演奏」のライブ。表現者は、シンガーソングライターであり絵本作家である中川ひろたかさん+マジシャンでありミュージシャンの大友剛さん(8期生)+(712)で紹介した歌手の野々歩さん(15期生)のコーラスユニットON’Sである。

ロビーでは、戦争と平和をめぐる子どもの本展、『9ゾウくんげんきかるた』原画展も開催されている。

5/28、当日は自由の森の体育祭の予定日。

そう、君なんだ!    (705 )

メーリケの詩にフーゴー・ヴォルフが曲をつけた≪メーリケ歌曲集≫がある。その中の“Er ist’s そう、これなんだ。(あるいは、春が来る)”という作品。

「また春が 大気を貫き
青いリボンを ひらひらとばす

馴染みの甘い香りが
来るべきものを予感させながら
大地を掠めてゆく
すみれはもうじき来るつもり

おきき ほら 遠くから微かな琴の音が

春、そう、君なんだ
春、そう、君なんだ
正体がわかったよ
そう、君なんだ」

吉田秀和著『永遠の故郷』4部作(集英社)の1巻目「夜」を読んでいて、出会った。



今日は2011年度の「始業の会」。明日は、いよいよ「中学校入学式」。11日は「高校入学式」。毎年の事だけど、やっぱり胸がぐんぐん弾んで来る。ずっーとずっーと待ってたんだ。

春、そう、君なんだ
春、そう、君なんだ
正体がわかったよ
そう、君なんだ

明日の入学式のテーマは<らくがき帳>。この日のために結成された中学生バンドによる「memories」(映画『パコと魔法の絵本』の主題歌、木村カエラ)が新・中1を迎える。

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