中島大地君(24期生、大学1年)の読書・書評コーナーである「大地人~大学生の読書日記」、その5。今回は、『宇宙ヨットで太陽系を旅しよう』(森治、岩波ジュニア新書)
宇宙ヨット(ソーラーセイル)「イカロス」開発をプロジェクトリーダー森治がまとめたもの。ソーラーセイルは、太陽のエネルギーさえあれば速度を得られます。だから、推進剤は必要がありません。「省エネ」というより「ゼロエネ」だと著者は綴っています。実現すれば彼方まで飛ばすことができるはずです。しかし、ソーラーセイル開発は長い間実現しませんでした。技術的な課題は飛ばしてみなければ把握できないから解決することもできませんが、実際に飛ばそうとする人はいなかったのです。
著者たちは世界で初めてソーラーセイル開発に挑戦します。そして、多くの困難に直面しながらも「イカロス」を作り上げて飛ばします。開発の過程が丁寧に分かりやすくまとめられています。専門的なことが分からなくても、楽しむことができます。
とくに面白いのは著者自身の来歴を綴っている第四章です。(この項、続く)
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